まだまだ、暑い夏の日。




「お、おい!俺たち仲間だよな?」

裏切り者のあんたが?仲間?
笑わせないで。

目の前で震えてる良い大人。


「ほんっとう、情けない……」


まぁどうでもいいけど。


さっさとおわらせよ。


「さよなら……」


「ひっ!や、やめ!ろ!」


男の顔が恐怖に歪む。

ーバンッー

鮮やかに血が……散った。







死体を見下ろす女。


つまり私。
私は花崎椿。

私の一家は代々殺し屋。
知る人ぞ知る暗殺一家。

私はその長女。

私の家族は7人。
いや、今は6人か。

そんな私に依頼がきた。
と言っても実の父からなのだが。
裏切り者を殺してくれと。

さっきの男は裏切り者。
私達の情報を売った。



だから、私が……殺した。

裏切った者は誰だろうと手加減はしない。
裏切った者は誰だろうと殺す。

それが、この世界の暗黙のルールだ。


同情なんてものは存在しない。