「ねぇ、さっきのってどうやったの?」

ある程度落ち着いた暁人が
不思議そうに尋ねてくる。

「あぁ。それ?
あのね、私の左手の爪に、小さな日本刀がついてるの。
取り外し可能だから楽だよ?」

本当は言ってはいけないことなんだけど。
暁人は信用できると私の心が言っている。
だから、大丈夫。

「そ、そうなんだ」

私の返答に曖昧に笑った暁人。
何かを考えてるみたい。


「能ある鷹は爪を隠すってね」

「ははははは……」

私は笑って言ったのに
暁人は笑えないのか
若干苦笑が混じっていた。