唇が熱いのは。
冷えたはずの、かき揚げのせいだ。
エ「来てなかったら、八坂さんと二人きりにしてたかもしれないし。」
『ああ・・・うん・・・?』
どうかな?
柊介と廣井さんは来てたかもしれないよ。
エ「来て正解だったよ。」
そんな言い訳は
エ「出遅れるより、ずっとマシだ。」
ストレートな想いに、一蹴される。
いま真向かいから見据えられたら、私はきっと燃えてしまう。
そんな期待を他所に、空気の読めるエリーは一見こんな言葉を吐いているとは思えないほど自然で。
おかげで、この小さな部屋で誰にも気づかれないまま。
私は、鳴き続ける胸を持て余す。
眞「あーー、もう!!怒
ちょっと十和、あんたの元カレおかしいんだけど!紅葉おろしは紅葉の季節しかないとか言ってるけど大丈夫?!日本人やり直した方がいいんじゃないの?!」
どうやら、柊介の操縦に耐えかねた眞子が根をあげる。
柊「元カレって言うな!」
エ「えっ、そこ?」
目を剥く柊介に。
エリーが笑って反応して。
『紅葉の季節しかないなんて・・・なんでそんなこと言ったの?汗』
柊「誰もそんな事本気では思ってないよ。そう言わないと、須藤さんが黙らなそうだったから。」
眞「そんな言い訳で黙るかっ!怒」
だいたい、なんでこんなくだらないネタで言い争っているのか。
柊「残念だな・・・須藤さんの事は、十和子の友人代表として評価していたのに。
ほとほと話が合わない。江里、席を替われ。」
眞「エリー、絶対替わらなくていいから。怒」
全く理解出来ないけれど、もうそんなこともいいかぁなんて思えてしまう。
肩を震わせて笑っている、エリーを見ていると。
エリーの笑顔は。
私のデコボコを埋めていく。
反対側から、ふと肩を叩かれて。
振り返ると、絶賛“社内会議”中の廣井さんだった。
廣「悪い、これそこに挿してくれる?」



