柊介の気配が、色を変えた。
エリーの表情から、笑みが消えた。
ブラックのTシャツに、細身のジャケットを肩がけして。
ホワイトのダメージデニムを合わせたモノトーンコーデなのに、キレイ目に転びすぎていないのは。
ワックスで無造作に散らしたヘアスタイル。
Tシャツの胸元、赤く映えるsupremeのロゴと。フェザー型のシルバーネックレス、其々がうまく崩しになっているから。
これはおそらく、計算し尽くされたカジュアルスタイル。
八坂さんは、突き刺さる二人の視線に構うことなく。
相変わらずの良い姿勢で、私の前に立つ。
八「行くぞ。」
色男を前に、無様な私。
頷くことも、首を振ることも出来ずにただ押し黙る。
廣井さんが、何か柊介に囁いた気がしたけれど。柊介の返事は聞こえなかった。
張り詰めた間。誰もが口を割らない。
前髪の隙間から、そっと八坂さんを見上げると。
真っ直ぐに視線がぶつかって、思わず目を逸らした__________、その時。
八「今夜、十和子を食事に誘った。」
沈黙に口火を切ったのは、八坂さんだった。
誰に話し掛けてるの?
顔を上げて、その目線を追うと。
私からはとうに離れた瞳が見据えるのは、エリーだった。
エ「そう・・・ですか。」
八「お前も来い。」
柊「は?!」
私が溢す前に、思いっきり柊介が溢した。
おかげで私は、傍観者に戻って息を飲むことが出来た。
八「ひどく世話になった。予定を無視して、呼び付けた事があったんだ。その礼に食事に誘った。
空いているなら江里も来い。」
な、なんでここでエリーに「来い」になるの?!汗
ねぇ、おかしいよね?!
そう思って、隣の柊介を見上げたのに。
表情打って変わって、むしろ瞳を細めて。
何やら高尚な計算をしている時の、彼の表情。
仕方ないので、エリーに何とか言ってもらおうと視線を移す。
エリーは、相変わらず堅い表情だったけれど。
八坂さんを見据えたまま、毅然と応えた。
エ「遠慮します。俺は俺で、改めます。」
キュウッ・・・//
左胸が鳴った瞬間、八坂さんが振り返る。
慌てて、不謹慎な左胸を抑えつけた。
ときめいてる場合じゃないっ//汗
キリリと頬を引き締めたのに、八坂さんは瞬く間にエリーに視線を戻す。
八「麻布の響月。」
エリーの眉が、ほんの僅かに寄る。
八「キャンセルしたら、うちは二度と彼処を使えない。」
な、なになに?
全然話が見えないんですけど。。汗



