#眞子side
よくテレビで、芸能人に会った一般人が「良い匂いがする」って言ってるのを見かけるけど。
やっと、その気持ちが分かった。
『私も八坂さんに聞きた、』
水面を波打たせて。
横から差し込まれたカフェラテのミルクベージュに、会話が止まる。
振り、返れば。
「はい、砂糖抜き。」
エリーが立っていた。
王子様スマイルと呼ばれる、眩しい笑顔を携えて。
ただ、し。瞳は笑ってないように見えた。
『あ、ありがとね・・・。』
そのまま、私の隣に腰掛ける。大きな音で椅子を引いて。
その様子を八坂さんが頬杖をついて見ている。
妙な空気。
エリーの纏う気配が、さっき売店に向かった背中と色を変えている気がする。
『えっと・・・、それで・・・?汗』
エリーが戻ったからには、こちらから十和子の話なんて出来ない。
だけど、どっちにしろ八坂さんが立ち去ってくれないと、廣井さんの話なんてもっと出来ない。
本来なら、社内史上最高の男を前に有頂天タイムを満喫したいところだけれど。
そうも言ってられないので、先を急ぐ。
八「仲が良かったよな?」
セーフ!名前を出さないでくれた。
これで途中から来たエリーには伝わらないはず。
『うーん。まぁ、ぼちぼち?』
嘘です。本当は親友だと思ってます。
だけど今は、エリーの目を誤魔化すのに必死。
八「あいつ、甘党?」
“あいつ”って!羨ましい!!涙
じゃなくて、そんな意味深な呼び方したらエリーにバレる!!
『えっと、どうだっ、』
エ「意外ですね、蒼甫さん。」
ダメだ。やっぱり、エリーにはバレた。
そう、思うのと同時に。
_______________あれ?
なんだ、今の違和感。



