だけど、

そんな私とは正反対に、先生は慌てた顔を覗かせた。


「亮、お前体調は?熱は?
わかった。大樹のところには俺がすぐ行くから。お前は寝てろ」


「…はーい」


口をとんがらせて、明らかに機嫌の悪そうな亮くん。

それでも、先生は目で帰れと訴えていて。

亮くんもその勢いに負けたのか、渋々という感じで、この場を後にした。



「全く、あいつは自覚が足りないんだ…」

私の前に車椅子が置かれる。



亮くんがどこの誰で、どうして先生があんなにムキになるのか分からない。


だから、先生の言葉の意味もよく分からなかった。