そしてとうとう朝日が顔を出してしまった。 木箱が海に押し出される。 ゆっくりゆっくり、波に押されたり引かれたりしながら離れていってしまう。 少しずつ遠ざり、まもなく見えなくなる木箱の船。 遠くどこかで海鳥の鳴く声がした。