カラオケを出ると、もう空は薄暗くなっていた。 時計を見ると、もう6時を回っている。 そういえば、望月はどこに行ったんだろう。 ……もしかして、電話で話してた彼氏? 何だかむしゃくしゃする。 このよく分からない気分を晴らすために、いつもより早足で帰り道を歩いていった。 「はぁ……」 ―――胸がチクリといたんだ理由を、俺はまだ知らない。