君の温もりに触れたくて

2人は顔を見合わせてあたしから手を離した。



先に口を開いたのは翠だ。


「丁度今からひまのトコ行こうと思ってたの！あんた急にフラフラし出すんだもん！本当に大丈夫！？」



「翠、ごめん！保健室で休んだら良くなったよ！」



手を合わせて謝罪をするあたし。
そんなあたしにそれより、、、と翠が尋ねた。



「有村先生からは寝不足って聞いたけど何か寝不足になるようなことあったの？」



心配したように翠が問いかけてくれる。
だけどいつまでもグチグチあたしの恋愛話を聞かせるわけにはいかない。



「ううん。本当に眠れなかっただけ！ありがとね！」



「.....本当に？」



翠の目は半信半疑って感じだ。
翠は優しすぎるんだ。今だってあたしなんかのために、、、
そんな風に思っていたらなんだか、しお姉に嫉妬していたあたしがみっともなく感じた。