君の温もりに触れたくて

バクバクとなる鼓動を感じながら慌てて答える。
かず兄はなんとも思っていないのにあたしだけ意識して恥ずかしい。
それと同じくらい再び切なさを感じる。
いつもこうだ。
意識してるのはあたしだけでしお姉が好きだと思い知らされてしまう…。



「ま、そんなけ元気なら問題ねーか。じゃあそろそろ俺行くわ。あとで担任が来ると思うからそれまでゆっくり寝とけ。何に悩んでんのか知らねーけどちゃんと寝ないとダメだろ?」




ガシガシとあたしの頭を撫でて扉に手をかけた。


「待って!!」




かず兄のワイシャツの袖を掴む。
今しかないと覚悟を決めて口を開いた。



「かず兄はしお姉のことが好き?」