君の温もりに触れたくて

「相楽先生は他の生徒が泳いでるのちゃんと見とかないと。もし何かあった時僕が助けるより相楽先生が助けたほうが確実ですから。」



「、、、。では、有村先生。七瀬をお願い致します。」



相楽先生がかず兄に頭を下げた。
翠もかず兄に声をかける。



「有村先生。ひまを頼みます。」



先生も翠も「頼みます」じゃないよ!!
あたしの悩みの種はそこにいる有村先生だよ!!


「了解しました。」



かず兄はそう言うとあたしを横抱きにして保健室へと向かった。



「いい、、、かず兄、、重いか、、ら下ろして?」



周りからは女子のギャーギャー言う声が聞こえるが、あたしとしてはたまったもんじゃない。
かず兄にだけ聞こえるような声で言う。




「うるせーよ。とりあえずお前は黙ってな。今は話すな。」




かず兄はちょっとぶっきらぼうに囁いた。


ズルイよ。そんな言い方。


でも、そう言いながらもかず兄の腕はたくましく暖かい。


ずっと変わらないな、、、。



その温もりに浸りながらあたしはフッと意識を手放した。