君の温もりに触れたくて

「…無理はダメだよ?」


翠がそういったにも関わらず、あたしは往復4本目を迎えていた。



泳いでたら色々忘れられるかなぁ。



翠は泳ぎは得意じゃないためゆっくりと泳いでいた。


早く終わればいいと思って飛ばしたけど流石に辛い。
こんなことならゆっくり翠と泳げば良かったと後悔しながら息継ぎをしていると急に眩暈がした。
思わず足をついて、たまたま対抗にいた翠を止めた。


「う、うわっぁ!ひ、ひま?ちょっと急にやめてよ⁈溺れるじゃ…ってひま⁉︎大丈夫⁈」


「ごめん…翠。ちょっと…気分悪…いの。相楽先生のとこ…まで肩かし…て?」



うぇ。ちょっと視界がグルグルしてる。



グラグラする視界に耐えながら翠に肩を借りて前に歩く。



「ひま⁈あとちょっとだから頑張って!あ!先生〜!七瀬さんが大変なんです!」



明らかに焦った口調で翠が叫ぶ。




「どうした⁈七瀬⁉︎山沢ありがとう。あとは俺に任せて。」




相楽先生に声を掛けられる。