君の温もりに触れたくて

最後の荷物を持って多目的室に入る。


「かず兄〜?あれ?さっきからどこいったんだろ、、、。」


荷物を降ろし、奥へと進む。


「かーずーにーい?ってうわっ!!」


そこには本棚に寄りかかるようにして寝息を立てているかず兄の姿があった。


「かーずーにーい!起きて!こんなとこで寝たら風邪引くし」


「ん〜…ひ…ま?あと5…ふ…んだけ」


ゆさゆさ肩を揺らすあたしにかず兄は再び瞼を閉じてしまった。


「まぁかず兄も疲れてるよね。最近テストの採点とかで遅くまで起きてたんだろうし。」


5分だけなら、とあたしも本棚に寄りかかる。



スヤスヤ眠るかず兄の横顔を見つめる。
相変わらずイケメンですこと。
あの人懐っこさを持ってすれば女の子はメロメロだよなあ。



かず兄の寝顔を見ていたらふと懐かしい記憶がよみがえった。



「昔3人で洞窟で昼寝してお母さん達が必死で探しに来たな。」




見守るはずが、かず兄の気持ち良さそうな寝息を聞いているとだんだんあたしも瞼が重くなってきた。
そして、目を閉じたーーー