君の温もりに触れたくて


「ま、お前が高校の間だけの我慢!くれぐれもナイショな!」


そう言いながらかず兄は唇に人差し指を当て、ナイショのポーズをした。


この教師と生徒の秘密の恋のような会話に少し惹かれているのはきっとあたしだけなんだろうけど、今はそれでも心地よかった。



夕日に照らされた少し照れたであろう顔をかず兄に見られないようにあたしは耳にかけた髪をサラッと下ろした。