君の温もりに触れたくて

「ほら、お前の好きなイチゴバー。昔からアイスずっとそればっか食ってんじゃん。」


そう言ってあたしの掌に乗せる。


「え?まさかわざわざ買いに行ってくれてたの?」


「まぁな。お前1人で頑張ってたしな?」


かず兄はそう言ってあたしに微笑んだ。


思わず顔を伏せてあたしは受け取ったイチゴバーを見つめた。


こんな優しくされたら期待してしまう。
あたしだけが特別だなんて…勘違いしてしまう。
そんなはずないのに……わかってるのに。


胸が締め付けられるような感覚に襲われた。


俯くあたしにかず兄が少し心配そうに顔を覗くようにして声をかける。


「おい?ひま?大丈夫か?」


いけない!笑わなきゃっ。