その結婚、ちょっと待った!






私は何故、尊が日本に居るのか、そして隣の女の人は誰なのか疑問に思い二人に近づいていった。


「尊っ!」


尊と綺麗な女の人が少し高そうなお店に入ろうとした時に私は呼び止めた。


私に気づいた尊は一瞬、引き攣った顔をしたのが分かった。


「尊さん?こちらの方は…?」


「ああっ…知り合いなんだ。先に中に入っておいて。」


そう言って女の人が中に入った。


「海外に転勤したんじゃなかったの?」


「俺達は別れたんだしお前には関係ないだろ?」


「何よそれ…尊が海外に行くし今は仕事を頑張りたいから別れてくれって言ったんじゃない!」


すると尊はチッと舌打ちをした。


「うるせぇな!関係ないだろ?
あっ、そうだ!お前に報告があるんだ。
俺、先月に結婚したんだよ。今一緒に居た彼女と。社長の娘さんで俺の事を気に入ってくれたみたいで結婚したんだ。
だ・か・らお前には海外に行くから別れてくれって言ったんだよ。
別にそこまで好きじゃなかったしな。」


私は我慢出来ずに尊の頬を思いっきり叩いた。


「ってぇ…」


「最低!」


そう言って私はカフェにも寄らずに会社に戻った。


嘘つかれて結婚までしてるなんて信じられなかった。


どうにか気持ちを切り替えて仕事に集中していたけど、仕事が終わるとイライラしてしまった。