その結婚、ちょっと待った!





仕事をしていると時間が経つのが早くて、残業をしても、次の日になればファックスがきてたり、朝から電話対応に追われたりで、そんな毎日の繰り返しだ。


私と真尋は残業をし終えたが、大和と大樹はもう少し仕事が残ってると言ったから、いつも四人で行く居酒屋に、真尋と二人で先に向った。


居酒屋に着いてまず、ビールで真尋と乾杯した。


「お疲れ様」


二人で乾杯してビールを飲む。
仕事終わりのビールはやっぱり美味しい。


「でも桃華が別れるなんてビックリだよ。
最近は彼氏の仕事が忙しいから会えないのは知ってたけど、海外に転勤とはまた急だったね。
お互いがすれ違いだったり、何か理由があって別れたとかじゃないから、好きなのに別れを受け入れるのは、辛かったね。
でも自分の気持ちを抑えて、彼氏を応援した桃華はよく頑張ったね。」


真尋にそう言われて、昨日は出なかった涙がポロポロと目から流れてきた。


そんな私を真尋は、黙って背中を擦ってくれていた。


少し落ち着き、出されていたおしぼりで涙を拭いた。


すると、遅れて来た大和と大樹が丁度来た。


「お疲れーって何だその顔は!?
パンダかお前は!!」


涙は拭いていたが、どうやら私の顔は化粧が崩れて悲惨な事になってるらしい。


「ちょっと大和!」


真尋は大和を睨みつけて言った。


「悪い、まぁ何だ……今日は俺の奢りだし、沢山飲めよ。桃華も化粧直したら飲み直そう。」


そう言って大和は、私の頭をポンポンとして席に座った。


大和に言われ、トイレに行き化粧を直した。


鏡を見ると、大和が言ってた通り、パンダみたいな顔になっていて、流石に恥ずかしくなった。