旅行から帰ってきた私は急いで料理を作った。
そして食事が済むと大和が衝撃的発言をしたんだ。
「なぁ桃華…俺達、結婚しよう!」
「えっ!?」
突然のプロポーズに私は驚きを隠せなかった。
だってまだ付き合って二ヶ月にもうすぐなるくらいだよ?
いくらなんでも早すぎない?
確かに同居はしているけど一年くらい付き合ってとかならわかる。
だけど大和は真剣な顔をして私を見ている。
「返事は?」
「ちょ、ちょっと待って!私達って付き合ってまだ約二ヶ月だよ?早すぎじゃない?」
「俺達は知り合って二年以上だしお互いを知ってるし、俺は桃華を幸せにしたいんだ!
俺は結婚するつもりで桃華と付き合ってるし、どの道先で結婚するなら今でもいいんじゃないか?
今すぐにでも婚姻届を書いて提出したいくらいだしな。」
大和の気持は嬉しいし、好きだ。
だけど今すぐにじゃなくてもいいと思う。
「大和の気持は嬉しいし、大和の事は好きだよ!だけど直ぐに結婚とかは考えられない。
もう少し付き合ってみてそれからでもいいんじゃないかな?」
「好きなら今でもいいだろ?俺の気持はかわらないんだし!来週でも桃華の両親に挨拶に行こう!」
何で勝手に決めてるの?
「ちょっと!強引に決めないでよ!
何で自分の思い通りにしようとするの?
私の話なんて全然、聞いてないじゃない!」
さっきまで幸せだと感じていたのに、大和の強引に嫌な気持ちになり怒りが込み上げた。
「聞いてるだろ?この先も一緒に居るんだし結婚の何処が悪いんだよ?俺の事が好きってさっき言ったろ?」
「大和の強引に何でも勝手に決めるの嫌い!
私の人生を勝手に決めないでよ!
お互いが納得して決めるなら分かるけど、同居だって大和が強引に決めたみたいなもんじゃない。
私達、少し距離を置こう。」
すると大和は黙って考えている。
少しは分かってくれたかな?
「距離を置くなら…別れよう!」
えっ…別れる?
確かに距離を置こうと言ったけど、大和に私の気持ちも考えて欲しくて言ったんだよ?
何それ…好きだとかいいながら結局は自分の思い通りにならなきゃ嫌なだけじゃない。
「わかった…」
そう言った私は荷物を鞄に詰めて、残りの荷物は明日に取りに行くと大和に告げて大和のマンションを出て行った。
私はタクシーに電話をしてマンションの前で待っていたが、大和は追いかけてくる事もなく、私への気持ちはその程度だったのかと思うと涙が出てきた。
短い間でも大和と過ごした時間は幸せだったし、昨日の旅行だって楽しかった。
いつもなら強引な大和でも私が怒れば引いたりするけど、今回は譲らなかった。
タクシーがきて荷物を抱えて乗り、自分のマンションへと帰った。