彼が死んで もう一か月がたとうとしていた。 まだ世間は彼の死を 理解できていない。 きっと 理解できるものは生きている限り いないような気がする。 私もわかっているような口ぶりだが 彼の死を 本当の意味で一番わかっていないのは 私だ。 いや、 理解したくないのだ。 理由は 彼が私の初恋だからというのが 一番だろう。 彼の名前を知る前、顔を知る前、 すでに私は彼を好きになっていたのだと思う。 そして 顔を知って、名前を知って、声を知って…