「ねぇ、チカちゃん。ぜんせって何?」

「前世って言うのはね、今の前に生きていたときのこと」

「今の前って?」

「セシルは、生まれ変わりとか聞いたことない?」

「あぁ、知ってる。その前世か。じゃあ、チカちゃんは、昔マリアさまだったってこと?」

「うん。なんだか全然ピンと来ないんだけどね」
そう言って、チカちゃんは笑った。

「すごいね、マリアさまだったって。わたしの前世は誰なのかな」

「セシルもこういう話、好きだもんね」

「うん。ねぇ、チカちゃん、今度わたしも行ってみたい、その占いのとこ」

「いいよ。じゃ、今度のお休みに横浜に行こうか」

「うん!」

セシルは、わくわくした。