子どもたちは手にしたビニール袋の中から、赤や黄色、オレンジ、水色などの細かい紙吹雪をつかんでは、周りにいる大人たちに投げつけている。

現地ガイドから、「口を開けていたら、ダメ」と言われたことを思い出す。

そのとき、セシルの頭にも紙吹雪が……。
七、八歳くらいの女の子が、いたずらっぽく笑っている。
ワサワサワサッと犬のように頭を振って、落とした紙吹雪をかき集め小さな反撃に出るセシル。

女の子は予想外だったらしく、青い瞳が一瞬驚く。
セシルがニーッと笑うと、すぐに次の紙吹雪が降って来た。