赤やピンク、黄色、白など色とりどりの花で飾られたフロート(山車)が、ゆっくりと目の前を通ってゆく。
二キロほどの通りをパレードしていくのだが、本当に華やか。

山車に乗った美女たちの衣装も花に負けないくらいゴージャス。
彼女たちが(たまに、オカマちゃんもいるけれど)腕いっぱいに抱えたミモザの小枝を、観覧席に向かって投げ入れてくれる。

これは花合戦と呼ばれ、観覧席ではみんなこの花を受け取ろうと必死。
もらった人には花と一緒に幸運も降りかかる、という言い伝えもあるそうだ。


にっこり笑って目が合うと、パッとこちらに向かって投げてくれた。最前列の特権だ。
セシルと直子は歓声を上げながら、たくさんミモザを受け取った。
たまにユリやカーネーションも投げてくれたが、それらもかなりの確率でゲット。