「お水、飲む?」 直子がペットボトルを差し出した。 「あ、ありがとう」 セシルは自分のバッグにもミネラルウォーターがあったことを思い出し、「自分の、飲むから大丈夫」と、直子に言った。 ふたりはそれぞれのペットボトルから水を飲んだ。 セシルはバッグからハンドタオルを取り出すと、首筋やこめかみにうっすら浮いた汗を拭いた。