突然、直子が言った。 「ねぇ、セシル、大丈夫?」 「え? うん、大丈夫」 「なんだか、顔色が良くないみたい」 「うん、ちょっと寒気が」 「え? 寒いの?」 「うん、なんかあまりにも感動的な景色だからかな、鳥肌立っちゃって」 「ちょっと座ろうか?」 「うん」 直子に支えられるようにして、セシルはベンチに連れて行かれた。