でも、今回だけは違った。 海のほうに近づくにつれて、足がすくむのだ。 早く見たいのに、なかなか近づけないもどかしさ。 セシルは直子の腕にしがみつきながら、一歩一歩足を踏み出し、ようやく遠目で見ることができた。 まさに、絶景。ここから見える紺碧の海は本当に綺麗で、『天使の湾』と呼ばれるのも納得。 旧市街の屋根の色はレンガ色で統一されていて、とても可愛らしい印象。 これは、法律で規定されているのだとか。 青い空と碧い海、それに屋根のレンガ色のコントラストが、また素晴らしい。