八月の夜




カランカラン
カフェの扉を開け、私たちは中に入る。

私はいつものようにショコラッテを。
華澄はいつものように抹茶オレを。
華澄の兄───マスターに頼んだ。


「あれから1年たったね。璃桜。」


ギクリとした。
この話題は・・・


「ねぇ、璃桜。
まだ引きずってるんでしょ?
あの夏の事。」


やっぱり、去年の夏の事だ・・・


「ボク、璃桜の妹から聞いたよ?
毎晩、寝る前に必ず泣いてるって。
それに、あれからずっと心がどこかに飛んでいってる。
まだ好きなんでしょ?」


「別にっ」


「んーー?
もう一回言ってみろやコラ」