私と和希は、いつもの帰り道とは違って車も人も少ない道を並んで歩き始めた。


「で、何があったん?」


和希の優しい声に、何故か胸がいっぱいになる。


「うん、あのね、こういうの初めてでどう言ったらいいか分からんのやけど・・・」


私は呼吸を整えるために息を大きく吸って吐いた。


「達川くんにね、好きです、付き合ってくださいって、言われた」


緊張や恥ずかしさや不安、色んな感情が混ざって言葉が途切れ途切れになる。


「・・・そういうことか」


まだ全部を説明した訳じゃないのに、和希は全てを理解したような顔をした。


「正門で奈々を待つ人を決める時、1組のメンバーが、やけに達川を推しよったけん変やと思ったんよ。

それに、1組の奴らは達川と奈々が合流するのが遅くても特に心配してなかったし」


そうだったんだ。


金曜日に姫ちゃんが顔を赤らめてたのも、達川くんが私に告白するってことをきいたからだったんだ。


それにしても、達川くんには悪いことしちゃったかも。


今、少しだけ冷静になったから思うことだけど、何も言えてないもん。


「とりあえず、考えるんはこれ食べてからにせん?

結局、晩ご飯何も食べれてないやろ?」


和希は私が持ってるたこ焼きを指した。


そうだ、色々あってすっかり忘れてたけど、お腹すいてたんだ。


もうピークを越した感じはあるけど、朝まではもたないもんね。