「早く着きすぎたな…」 待ち合わせ場所で携帯をいじりながら彼女を待つこの時間は嫌いじゃない。 少しするといつもの愛おしい声がした。 「将生!おまたせ!」 「全然待ってないから」 この会話は毎回恒例だ。 俺が先に来て柚を待つ。いつもの形。 柚の手を握って歩きだした。 「今日は公園に行くんだろ?」 「そうっ!お弁当作ってきたの!」 「そうか、それは楽しみだ」