丘の上で

そして、少女が来なくなってから

何回もの夏が過ぎ、

少年はいつしか大人へと成長しました。

心は少年のまま…

今日は雨でした。

丘に行く気分ではありませんでした。

街をうろうろしていると

あの少女が持っていた本を

抱えて歩いている人がいました。

少年はとっさに声をかけました。

「すいません、その本!あの子の…」

「もしかして夕君?」

「なんで僕の名前知ってるんですか?」

「丘にいた子だろう、少し話をしよう」