♠思い出
結衣side

私は琉さんを見送った後、もともと新と家族4人で住んでいたアパートに向かった。
これから香さんの家に住むことになったから片付けに。
正直ここに住むのは辛いと思ってたからちょうどよかった。
もしかしたら香さんはそれも考えていてくれていたのかもしれない。
「よしっ!」
アパートについた私は片付けの気合を入れて始めた。
必要な私の服とかは香さんに家に空き部屋があったからそこを使わせてもらうことになった。

「あとは、運ぶだけっと!」
片付けをし終えたらもう日が暮れ始めていた。
「午前中からやってたのにもうこんなに暗くなってる。」
約…8時間やってたんだ私。全然そんな気がしない。すると、
「結衣!」
香さんの声が聞こえた。
私は部屋から出て香さんのもとへ行った。
「香さん!」
「ごめん、遅くなった。」
「大丈夫です。ちょうど今終わったところなので。」
香さんは車で私の荷物を運んでくれるって言ってくれた。
「暗くなる前に、荷物を積もう。」
「はい!」
荷物を積んだ後、香さんに車に乗り込み家へ戻った。

「おかえりー。遅かったね。」
琉さんがお迎えをしてくれた。
「ただいまー。意外と仕事が長引いて。」
「ただいま戻りました。」
「相変わらず結衣ちゃんは固いね。もうここが結衣ちゃんの家でもあるんだから普通でいいのに。ねぇ?香。」
「あぁ、そうだな。今すぐには無理でも、少しずつ慣れろよ。」
「あ、はい。」
「じゃあまず一つ目。おかえり、結衣ちゃん。」
「…ただいま!」
私は嬉しくて涙が出そうになった。
この家の人はみんな優しい。