暁のプロポーズ

《帰宅》

──あぁ。帰ってきた。

凪をおんぶしながら、寝室に入る真人。
ピクニック、のつもりで出て行ったのだが、結局公園にいたのは1時間程度。
そのあとカラオケ、ボーリング、ショッピング。
最近できなかったデートを思いっきり今日に凝縮した様な1日だった。

「おやすみ。凪」

そう言いながら、凪の髪を撫でる。

変な寝癖がつかない様に、綺麗に整える。

──…結局、今日はニャンニャンできてないな

そう思うと、なんとなく勿体無い気持ちにもなる。
ほとんど毎日しているのに、欲しくなる。
一緒にいる時間が、堪らなく幸せで。
重なる身体が途方もなく愛しくて。
どんなに共に居ようとも、変わらない気持ち。

──あぁ〜…寝顔超かわいい……

内心は凪にデレデレの癖に、表情には出さない真人。

格好付けている訳ではないのだが、どうにも素直になれないのだ。

「ふぅ…」

そう一息いれると、真人は明日の仕事の用意をするために寝室から出て行った。