暁のプロポーズ

《暁のプロポーズ》

5:22。
火照りきった身体は心地よさを残して引き、
幸せを心底実感する。

夜明けが近くなり、外は白んでた。

真人と凪は既に着替え終わり、窓越しに外を見つめる2人の表情は穏やかで、優しさが溢れている。

「ここの朝日は日本で一番なんだってな」
真人がそういうと、凪は「それなら、まだ寝るわけにはいかないね!」といい、それからずっと窓を見つめていた。

5:45。

太陽が海から顔をのぞかせ、輝きを放った。
「うわぁ…きれい……」

美しく澄んだ海から登る太陽は幻想的に輝き、2人を照らす。

「…まさとぉ…本当に本当に今日はありがとね。大好き」

美しい景色に感極まり、伝えるでもなく溢れる言葉。
真人もまた、同じだった。
「凪…」

真人が凪を呼ぶ。

真剣な面持ちで凪の目を見つめ、ポケットから指輪を取り出した。
スッと膝をつき、凪の目を見つめる。

「凪…結婚しよう」

まっすぐ重なり合う視線。

「え…あ…う………」

唇を震わせ、目を見開き、言葉にならない感情を

心の中に描く凪。

「凪…絶対に幸せにする。心の底から愛している」

「わっ…わたっ私もあっあいし……あっいし…」

凪は口に手を当て、涙を流す。

言葉にならない。
嬉しさと幸せが身体中を駆け巡り、
頭が全く動かなくなっている。

嬉しい。
嬉しい。
嬉しい。
大好き。
愛してる。
大好き。
愛してる。

そう叫びたいのに、声が出ない。

「うっ…うう…」

止まらない涙。

「凪…」

真人は彼女の名前を呼びながら、指で凪の涙を拭う。

そして、頬に手を当て、キスをした。

唇を重ねるだけのキス。

愛情を伝えるキスでも、情欲を重ねるキスでもない。

ただ、慈愛に満ちたキスだった。

唇を離すと彼女は声を振り絞る。

「まっ…まさっ…とぉ………うぅ……嬉し……くて…」

「ああ」

それだけ言うと、2人は強く、強く抱きしめあった。

暁の絶景は、2人を祝福するようにいつまでも輝いていた。





〜end〜