幸せな時間が長く続かないことなんか、わかっていたのに。
楽しいことがあれば、辛いことが何倍にもなって、
身に降りかかることなんて、
とっくのとうに経験していたのに。
……どうして、今の今まで、忘れていたのだろう?
「うわああああぁぁぁぁああああぁぁぁあああぁぁああああああああああぁーっ」
泣き声が、自分の声ではないような泣き声が、やんではくれない。
−−−−−わたしは、殺めてしまったんだ。
『やっぱりやさしいひとだよ』
そう、微笑んでくれた、わたしを改めて知ろうとしてくれて、
また、受け入れようとしてくれた大好きな彼を。



