「近づくと危ないわよ」と言ってみる
まあ だいたい、そうにはならないけれど
その前に みんな逃げていく

「逃げなさい」とお母さんが子をかばう
まあ だいたい、それがわたしの宿命なのだけれど
子のおびえた顔 もう見慣れたよ

いつからだっけな
みんなが逃げるようになったのは
小さい頃は、あんなにあそんでくれたのに

かなしいなあ
さみしいなあ
でも 泣かないよ

「強くあれ」 そういわれたから
今日もみんなに恐れられる
サソリ それがわたし