抱えているものは同じでも、
その大きさは違う。
*霧夜*
「お前が恨ましかった。
ユリから好かれて、どんなことがあっても笑ってて。
俺は、とっくに心が壊れてたのに。」
*零斗*
「いや、俺は壊れてる。
でも、それはキラのせいでも、ユリのせいでもないんだ。
俺が、もともと壊れてるんだ。」
*霧夜*
「無理もない。」
*零斗*
「キラもユリも、俺のせいで。
それに、」
*霧夜*
「お前のせいじゃない。
お前だけの、せいじゃ、ない。
過去にこだわるな。今みるべきは、過去じゃない。現在と未来だ。」
*零斗*
「俺に、未来があるのかな。」
*霧夜*
「生きてる限りあるだろ。」
*零斗*
「はは。
霧夜のくせに、言ってること正論だな。
生きてる、限りか。」
*霧夜*
「『くせ』にって…あ…」
止まったはずの涙が、
自然にこぼれ落ちた。