彼に渡すチョコは
ガトーショコラにした。もちろん、ブラックチョコを使用の。
ガトーショコラなんて、なんてベタな。
いかにも本命です、と主張してるような気もするけどこれでいいんだ。だって本命だし。
今までずっとこの気持ちを隠してきたから
さらけ出したいんだ。
……やっと、伝える時が来る。
材料を混ぜながら 色々な気持ちが込み上げてきて 4月からのたくさんの思い出が走馬灯の様に流れてきた。
4月
隣の席の男子がかっこよくてすごく緊張してた。 それからだんだん話せるようになって
5月になる頃には お互い呼び捨てで呼ぶようになった。そんな些細な変化が嬉しくてたまらなかった。
夏が近づくと 授業中のおしゃべりも増えてたまに先生の注意される時もあった。
くだらない話をしたり 君の事沢山知れて嬉しかったよ。
夏休みに入ったら 全然君に会えなくて
40日間 君の事を思い出さない日なんて無かった。夏祭り、花火大会、イベントはたくさんあるのにきみを誘うことは出来なかった。
9月、久しぶりに君に会うと更に真っ黒に日焼けしてて大笑いしたな。
……すごく 部活頑張ったんだね。
文化祭は 一緒に回りたい。なんて淡い願望を抱いてたけれど言い出すことなんて出来なくて
そのまま変わらず時は過ぎ仲の良い異性の友達っていう関係は相変わらず続いていた。
