『佐々木! 数学のノート見して』
『……また?』
『佐々木のノート綺麗で見やすいんだもん。』
『そ、それはどうも。 はい』
私が君のひとことに胸を高鳴らせて ノートを渡す時指が震えそうになっているのを必死に抑えてることを 君は知らないんだろうな。
…知られないようにしているんだけどね。
君がせっせと私のノートを写すところを横目で見て
……あそこ もうすこしわかりやすく書けばよかった とか、 字丁寧に書けばよかったとか後悔しまくってることも 君は知らない。
全神経を注いで 一喜一憂して、本当に恋って忙しい。
4月、君の隣の席になって恋をしてから8ヵ月も経った。
もう、バレンタイン直前だ。
