私がロビーへ出た瞬間、そこにいた全員がこちらを見た。





…もしかして、ダメ…?






そう思った瞬間、一斉に拍手の音がした。





でも私には遠くの音にしか聞こえなかった。






私の視界には有栖川さんしかいなかったから。