有栖川さんと栗本さんが出て行くとクミちゃんの手に力が入った。 「…羽流さん、ありがとう。」 クミちゃんはお礼を言うが、小さなため息をついた。 「クミちゃん、大丈夫?」 私はクミちゃんに訊ねるとクミちゃんはゆっくりと顔を上げた。