言ってから大きく息をはいた。 少し冷静になってしっかりと有栖川さんを見た。 「あなたは悲しみを仕事で忘れられる大人です。でもクミちゃんは勉強で悲しみを忘れられるほど大人じゃないコト位、分かりませんか?」 1人になると思い出して笑っていても心の中は悲しくて泣きたいのに泣けなくて…。 私は両親が亡くなってすぐのコトを思い出した。