私は有栖川さんをしっかりと見た。 一瞬だけ有栖川さんの青い瞳が見開かれた。 「…俺は家族のために仕事をしなくてはいけないんだ。」 私は心の中でため息をついた。 「それってクミちゃんには関係ないんですよね。お金持ちでも貧乏でも傍にいてくれなくちゃ意味がないんです。」