そこは私の働く図書館。 湊さんは私の手を引っ張って図書館の横道から中庭に向かっていく。 中庭に着くと湊さんは私の手を持ったまま 「……初めて逢ったのはここだったな。ハルに逢った時、俺を知らないしなんて生意気な女って思った。でも、俺を見るハルの目は真っ直ぐでキレイだった。」 いつもとは違う湊さんの話を私は動けずに聞いていた。