「まー、よろしくな!『フユ』!」
「え?冬?」
またまたー、と言って左右に手を振る。
「お前は『冬』で俺は『夏』だろ?
だから、『フユ』!ナツフユコンビ!」
そう言って、ピースする。
「いや、普通に冬真で頼む…。」
「えー、そう?」
と、少し残念そうな顔をする。
すると、教室に担任が入ってきて
HRを始めるように言った。
「じゃ、また後で話そうな、冬真!」
「ああ。」
そう言って、夏月は前を向く。
担任の少し緊張したような挨拶。
それすら退屈で、俺はまた窓の外を見る。
『冬』と『夏』か_______。
桜が舞う春。
これが俺たちの出会いだった。
