相川…、ってことは、俺の前の席か。


「あ、ああ、よろしく。」

一応、差し出された手を握り返す。

「ところで、お前は?」
「え?」
「お前の名前!」
「ああ、俺は、泉冬真。」

俺が言うと、少し考える仕草をする。


「トウマ…って漢字どうやって書くの?」
「季節の『冬』に、真実の『真』。」
「冬!? 俺のさ、夏月の夏って、 季節の『夏』なんだよね!」
「へえ。『キ』は?」
「うーん、『キ』っていうか『ツキ』かな。 『夏』と『月』だから。 …あ。」

そう言うと、閃いたような顔をして、


「なつつき、って感じだな!
キツツキかよって!」


そう言って、また1人でケラケラと笑う。



いや、キツツキって。