全ての季節の君へ。ー冬の僕よりー



ー購買ー

「冬真ごめん!買ってきた〜。」
「おう。…なに、それ。」
「え?特大ビックシュークリーム。」
「…特大なの?ビックなの?」
「えー、両方じゃない?」

と、手に持っているシュークリームを見ながら言う。


お前、喉乾いてたんじゃねえよかよ…!





すると、


「あーっ、夏月!」


意味不明な夏月に落胆していると、
遠くから声が聞こえた。


「おー、花恋!」


夏月が声をかける方向を見ると、
こちらに走ってくる女子2人が見えた。



「もう、やっと見つけた!この学校人多すぎない!?ずっと探してたんだから!」

と、肩で息をしながら夏月を見て言う。

「え?なんで?」
「この子!前に話したでしょ。わたしの親友なんだけど、野球部のマネージャーしてるの。今度の練習試合、助っ人してもらいたいらしくて。」

そう言って、ニッと笑う彼女。
顔が整っていて、黒髪がよく似合う。
女子にしては身長が高くて、とてもスラッとしている。
夏月と並んでもあまり変わらないくらい。


(…モデル…?)


お世辞ではなく、そう思った。