私は咲奈。
これはまだ私が幼かった頃の話。
私の家族とお隣さんはとても仲良しだった。
お父さんとお母さん達が高校の同級生だったみたい。
だから、どっちかの家でみんなでご飯食べたり、一緒に旅行に行ったりもした。
私は、2つ上のゆうくんが大好きだった。
「咲奈ね、大きくなったらゆうくんのお嫁さんになるのー!」
って言ったら、ゆうくんは優しく笑って、
「あぁ。じゃあ、約束な」
って言ってくれた。
そんな小さな約束を胸に、大切にゆうくんとの時間を過ごした。
でも、幸せな時間はそう長く続かなかった。
ゆうくん達家族は、私が小4の時に引っ越して行った。
「咲奈はきっと泣くから」って私には黙って行っちゃった。らしい。
気づいた時には遅かった。
私の初恋は…終わった。