陽side


パチパチパチパチ

体育館に鳴り響く祝福の拍手。


その中を恥ずかしそうに、

でっかい制服を着て歩く新一年生達。


私は今、その中の1人に居ます。



今日から、この、西中学校に通う
小山内陽(おさない よう)!!

私は今、とてもワクワクしていますなぜなら!!!

小学校の時は、色々あっていい思い出がなかったので、中学デビューをするのです!!

いや、転校とかしたわけじゃないし、小学校の時の人が皆いなくなるとかじゃないよ??

ココ周辺の6つの小学校が合わさって西中学校へ進学するの!!!


親友ができちゃったりして、部活めっっちゃ頑張ってエースになっちゃったりして、勉強でクラス1位になっちゃったりして、彼氏できちゃったりして!!

妄想が大好きでたまらぬ!!



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そんなこんなで、

入学式を終え、

はやいこと6月になりました。

クラスにもだいぶ馴染めたのかな??


「おい、デブ」

...この声は...

「瑛太!今なんつった!?」

そう、こいつ、新崎瑛太(にいざきえいた)は、
同じクラスの私をからかってくる主犯格。

「だから、デブ」

いやいやいや、女の子に失礼ですよね。

「おい、聞いてんのか??おデブちん?」

...もう、いい。

無視する。


私は、友達のところへ行こうと思って歩き出した。

「ちょ、デブ〜待って〜」

後ろでうるさいけど、構わず友達のところへ行く。




「また言われてんの!!」

「まじうるさいあいつ!!」

「大丈夫大丈夫、陽めっちゃ細いしかわいいよ〜〜」

「いやいや!そんなことないよ!でもありがと〜!あ、そういえばね、スマホ!デビューしました〜」

「まじで!いいなぁ〜」

わたしと話してくれてるひとたち。。

そうです、仲良し4人グループに入れました!!!







こんなに楽しい毎日が続いたのです。

瑛太はからかってくるけど、一緒にいると楽しいし、仲いい3人とも、出かけて、

部活は入らなかったけど、それなりに充実した毎日を送れてました。



そして、更に月日は過ぎて2学期になりました。


9月の下旬、夜。

私は、部屋でベッドの上でスマホをいじりながらゴロゴロ。

この、なんともいえない時間が幸せ。笑


学年のグループがあるんだけど、まだ持ってる人口は少ないから、25人くらいしか入ってないの笑

学年全体が190人と、少なめの学校ですし、田舎ですし!!笑

だから、スマホを持ってるって結構カッコいいのですw

ふと、学年グループのメンバーを探る。

...あれ??

こんな人いたっけ?

追加した覚えのない人が1人。

松岡綾哉??


その人を押してみる。


...ブロックしてる


い、いつブロックなんてしたっけ...



まったくをもって、ブロックなんてしたつもりはないのに...


わたしは、まつおかりょうやさん?

に、

少々申しわけなく思いながら、

個人トークで、話してみる

ブロックしちゃってたことは、内緒にしちゃおう!笑


【追加しました〜よろしく!】

【よろしくー!】

返信はやっ暇人そう。

【小山内陽です、どうぞ呼び捨てで!】


【りょーかいでーす。】
【あ、俺はりょうやでいいよ】

【うん!りょうや、よろしく!】

【ほーい】
【とこんでさ、俺の事、わかる?】

いや...知らんわ。

【んーーーわからない!笑】

【まじっすか笑】
【俺は分かるよ、陽】

【えぇー全然顔なんて覚えてないよ〜】
【あっもしかして、かっちゃんとよく喋ってる人???】

【そーそーそー!勝村ケイスケね!】

【あの人か〜分かった分かった、よく目立ってる笑】

【そうか??笑まあ、騒いじゃいるかもね笑】

【楽しそうでいいじゃん!!】

【まあ、楽しいよ〜!陽もよく叫んでるし、楽しそうだよ?】


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3日くらい、やりとりを続けて、だいぶ打ち解けてこれた。


りょうやについてわかったこと、私達一年2組の隣のクラス、3組で、サッカー部、頭脳明晰。

そして、わたしのなかのイケメンチェッカーでは、○が出ました。笑


ここ最近、帰ってからなんだかずっとりょうやとLIMEばっかしてる。

いや、だって楽しいの!!!

学校で話せたらもっといいと思うんだけど。

明日頑張ろう!!


そして!

次の日。

私は休み時間にトイレに行った帰り、

教室前でかっちゃんとりょうやが喋っていた。

一年の1、2組はプレハブで3組からは後者になっているけど、

こっちへ来たのかな??

私は、話しかけてみることにした。

「りょうや!生はじめまして〜」

「おぉ、うす」

と、りょうやはペコッと頭をさげる。

私は、ちょっと嬉しくて、目があって

ついつい頬が緩んじゃったけど、

お互い笑って見つめあって数秒。


恥ずかしくて、目をそらしちゃった。

私は、それを隠すように
「バイバイ!!」
と、勢いよく手を振って教室に入った。





その日の夜。
りょうやから、LIMEがきていた。

【おーす】
【今日会えたなー!】

【会えたねーー!】


目があっちゃったこと思い出して、

恥ずかしかったけどちょっと嬉しかった。


ん?なんで嬉しんだ??

ま、ともかく。

そんなこと思ってもいたけど、

今日もまた長々とLIMEしてしまった。


そろそろおやすみ、と送ろうとした時、

【俺、こんなに会話続くのはじめて笑】

【私もだよ!】

【てか、恋バナしねぇ?】


ドキッ


ん??なんだ?今のドキは、なんだ???

あれ、もしかして、好きな人いるのかな?


モヤ


ん??なんだ??今のモヤは、なんだ!?!?

【まず、陽からねー】
【好きな人いないの??】

【好きな人!?!?】
【いや、いやいや、りょうやは??】

私から言うなんて。
フェアじゃない。

って、え??私好きな人いないよ。

【へーはぐらかすんだ笑】
【俺が言えば言う?】

【いや、ま、まあ!!】

...りょうやにはいるのか。

なんか、気分がガタ落ちした気がした。

ん??お???

いや、まてよ、さっきからなんか


...

私、りょうやのことすきじゃん!!!!


どっどうしよう!!!


どうするの!!!!

そのとき、






【俺さ、陽好きだよ】





体に電流が走った。