横には豊かな緑。下には中庭のベンチ。上には彰。後ろからは先輩の声。この状況、どういうことなのか説明しよう。

私は2年でありながらも生徒会長であり外見もまあまあ良く、性格は完璧な女の子を演じている。
そして先ほど、副生徒会長の海崎先輩という部活においての先輩に告白された。

このつまらない学園生活を少しでも面白くなって欲しくて今、上にいるこいつに頼んだところこの状況だ。


「すみれ。大人しくしててね。(ボソッ)」
今、私をベンチとの間で挟んでいるのは彰。いわゆる床ドンを中庭のベンチでされている。

さっきドアがドンッと言ったということはもうすぐ先輩はここに来るのだろう。そしたらどういう反応をするのか…。
怖いけど楽しすぎて体が動かない。というか動いたところで彰にぶつかる。
先輩が低木が生い茂る茂みをガサガサという音ともにこのベンチに近づいてきた。距離的にはあと少しでバレる。
その時だった。彰が急に走り出してどこかへ行ってしまった。ど、どういうことなんだ?!パニックになる私はベンチと磁石になったように体が動かなかった。