中学の時から、私は男子が苦手だった。


廊下で走り回ってぶつかってくるし、何もしていないのに人のせいにしたり、ただみんなと仲良くなりたいだけなのに、からかうし。


私が地味だからなのはわかってるけど、中学の時は上履きの中にミミズを入れられたりもした。


虫嫌いの私には、本当に気持ち悪かった。


だから、私はいつも男子を避けている。


昼休みには、私の大好きな非常階段に行き、ひと休み。


この学校の屋上は、鍵が掛かってて開かないから私は非常階段で癒される。


辺りを見渡すと、もう桜が咲く頃で、ピンクの花びらがちらちらと見える。


暖かい風で、髪が揺れてすごく心地いい。


・・・カンッカンッ


・・・カンッカンッ


「誰か・・・来た・・・?」


普段は誰かが来ることなんてなかったから、すごく焦った。


「あ、誰かいたの。」


そこに現れたのは、金髪で、ピアスをしていて、いかにも不良ですオーラが出ている男子だった。


「え、えっと・・・邪魔・・・ですよね?」


私は見た目で怖くなってしまい、全身が震えていた。


彼は、今にも殴りかかってきそうな目で私を睨む。


「す、すいません。今消えます。」


少し震えた声でそう言い、私は非常階段のドアに向かう。


「おい、待てよ。」


「え?・・・」


「邪魔なんて言ってねーよ。」


「あ・・・そうですか・・・」


彼は私の数センチ離れた場所に腰を掛ける。


ってことは、ココに居ていいってこと?


意味もわからず非常階段のドアノブに手をかけてずっと立っていたら、


「座れよ、目障り。」


って言葉が聞こえてきた。


「は、はい・・・」


ビクビクしながらもドアの前に腰を掛けた。


1分くらい沈黙が続き彼が沈黙を破った。


「お前、なんでいつもココにいんの・・・?」


えっ・・・?


なんで私がいつもココにいることをしってるの!?


私達は初対面じゃないの!?


「あの・・・私のこと・・・?」


「知ってる、いつも昼休みココにいるじゃん?俺、いつもココの上にいるから。」


「見てたんですか!?」


「見えたんだよ!」


「そう・・・ですか・・・。」


「ってかお前、タメなんだから敬語やめろ。」


「あ、でも初対面だったので・・・。」


「これから会ったら、敬語禁止な?」


「はいっ・・・!」


「おい。また敬語かよ?」


「あ・・・、うん!」


男子なんかと初めての話した。


私なんかに優しくしてくれた男子が初めてだったから、嬉しかった。