ガキみたいにってなんだよ!
こっちは気晴らしにどっか行く気分じゃないし、一緒に呑んでいてくれれば、それでいいのにー!
「わりぃな、お前が辛いってときに少ししかいてやれなくて…まじで…今日はどうしても外せない用事があんだよ」
「…もしかして宇野さんと待ち合わせとか?」
「…あぁ、…本当に申し訳ない…こんなときに」
申し訳なさそうに、下を向く隆弘に僕は「ふ~ん」と唇を尖らせる。
「いーよ、傷心の僕より大事な彼女の約束のほうが大事にだもんね」
「あ~!だからっ…明日なら大丈夫だってば!」
「いー。明日は寝てる」
「じゃあ家でゲームしよう、俺のオススメ漫画持ってくるし」
「ノーサンキュー」
「お前なぁ…」
わかってる、隆弘に今すっごいワガママいってるの。
でも、どうしても今が良かった。
今、一緒にいて欲しかった。
隆弘といると、ワイワイしてて楽しいし。
でも…本当に1人になりたくない。
だって1人になったら、凜菜のことを考えてしまうから。
忘れたい。
そう思うのと同時に、それを拒む気持ちもあって、今の僕はどっちつかずで。
自分でも自分が嫌になる。
情けないし、みっともない。
でもどうしてもこの虚しさと切なさと凜菜を思う気持ちを、払拭することは出来ないでいるんだ。
だれか。
消し去ることができないなら埋めて欲しい。
「ごめん、隆弘…ワガママ言って。明日大丈夫なら家で待ってるよ…」
でも、だからといって
隆弘も用事があるわけだし、引き止めちゃ悪いよね。